ローソク足1本には、4つの数字が詰まっています。
始値、高値、安値、終値。この4つを「4本値(よんほんね)」と呼びます。
FXの教科書ではだいたい最初の数ページで説明されて、すぐにインジケーターの話に移ります。「4本値はローソク足の基本です。では次に移動平均線を見てみましょう」と。
でも待ってください。
この4つの数字だけで、相場はかなり読めます。インジケーターに行く前に、4本値をちゃんと読めるようになった方がいい。
始値:その日の出発点
始値(はじめね)は、日足のローソク足が始まった瞬間の価格です。
FXの場合、ニューヨーク市場が閉まった直後の価格が始値になります。日本時間で朝7時(夏時間は朝6時)。
始値が重要な理由は、前日の終値との関係にあります。
FXでは平日は24時間取引されているので、前日の終値と当日の始値はほぼ同じです。窓が開くことはほとんどありません。
でも週明けの月曜日は違います。土日に大きなニュースがあると、金曜の終値と月曜の始値に差(窓)が生まれることがあります。
始値は「今日の相場がどこからスタートしたか」を示す基準点です。1日の値動きは、この基準点からどれだけ上に行ったか、下に行ったかで語られます。
高値:買いの限界点
高値(たかね)は、その日の中で最も高かった価格です。
ローソク足のヒゲの先端(上ヒゲの場合は上端)が高値を示しています。
高値が教えてくれるのは「買い圧力がどこまで届いたか」です。
買いが強い日は、高値が前日の高値より上にあります。これが続けば高値の切り上がり。上昇の流れです。
逆に、買いを入れたのに前日の高値を超えられなかったら、買いの力が弱まっている可能性があります。
高値だけを数日分追いかけるだけでも、相場の勢いは見えてきます。
安値:売りの限界点
安値(やすね)は、その日の中で最も安かった価格です。
ローソク足の下ヒゲの先端が安値です。
安値が教えてくれるのは「売り圧力がどこまで届いたか」です。
売りが強い日は、安値が前日の安値より下にあります。これが続けば安値の切り下がり。下降の流れです。
逆に、売りが入ったのに前日の安値を割れなかったら、売りの力に限界が来ている可能性があります。
高値と安値をセットで見ると、もっと情報が得られます。高値が切り上がっているのに安値も切り上がっていれば、明確な上昇。高値が切り下がり安値も切り下がっていれば、明確な下降。高値は上がっているのに安値が下がっている場合は、方向感がない。
終値:その日の結論
終値(おわりね)は、日足のローソク足が確定した瞬間の価格です。
4本値の中で、最も重要なのが終値です。
なぜなら、終値は「24時間の売買の結果」だからです。
日中にどれだけ上がっても、最終的に始値より下で終われば陰線です。日中にどれだけ下がっても、最終的に始値より上で終われば陽線です。
途中経過ではなく、結果。それが終値。
ダウ理論でも、トレンドの判断は終値ベースで行うとされています。高値安値の更新も、終値で確認する。
だから多くのトレーダーは、日足の終値が確定してから判断を下します。確定する前の、まだ動いている最中のローソク足では判断しない。
→ FX日足の終値手法|確定足でエントリーして数日放置するだけ
4本値の関係で相場を読む
4本値は、1つ1つ単独で見るものではありません。4つの関係性から相場を読みます。
始値と終値の差が実体。実体が大きければ勢いがある。小さければ拮抗している。
高値と実体の差が上ヒゲ。上ヒゲが長ければ、上に行こうとしたけど押し戻された。
安値と実体の差が下ヒゲ。下ヒゲが長ければ、下に行こうとしたけど買い戻された。
高値と安値の差がその日の値幅。値幅が広ければ活発に動いた日。狭ければ静かな日。
この4つの組み合わせだけで、「その日、相場で何が起きたか」が全部読めます。
大きな実体でヒゲが短い陽線。買いが圧倒的に強く、売りの抵抗がほとんどなかった日。
小さな実体で上下にヒゲが伸びている足。買いも売りも入ったけど、どちらも決め手に欠けた日。
実体がほぼなく、下ヒゲだけが長い足。一度大きく下がったけど、強烈な買い戻しが入った日。
インジケーターの数値で語るのではなく、4本値の関係で語る。これがローソク足を読むということです。
前日の4本値と比べる
1本のローソク足だけでも情報はありますが、前日の4本値と比べるとさらに読めることが増えます。
今日の高値は前日の高値を超えたか。超えていなければ、買いの力が衰えている。
今日の安値は前日の安値を割ったか。割っていなければ、売りの力に限界がある。
今日の終値は前日の終値より上か下か。上なら買いが勝った日。下なら売りが勝った日。
今日の値幅は前日より広いか狭いか。広がっていれば活発化。狭まっていれば膠着。
このように、前日と今日の4本値を比べるだけで、相場のトレンド、勢い、変化の兆候が見えてきます。
移動平均線もRSIもボリンジャーバンドも、全てこの4本値を加工したものです。加工品を見る前に、原材料を直接見る力をつけた方がいい。
4本値だけで十分
最後にもう一度。
始値、高値、安値、終値。この4つだけで相場は読めます。
インジケーターが悪いわけではありません。でもインジケーターは4本値を加工して見やすくしたものに過ぎない。加工する過程で情報は遅れ、ぼやけます。
4本値を直接読めるようになれば、インジケーターなしでトレードできる。判断が速くなり、迷いが減る。
日足の4本値を毎朝確認する習慣をつけるだけで、チャートの見え方が変わります。
日足だけで実際に勝てるのか。具体的にどうトレードするのか。それについてはこちらの記事で書いています。


















