シンプルな手法を探している人は多い。
でも「シンプル」の意味を取り違えている人がほとんどです。
ネットで「FX シンプル手法」と検索すると、出てくるのは移動平均線2本のクロス、ボリンジャーバンドの反発、RSIの逆張り。インジケーターの数を「少なめ」にしただけで、シンプルと呼んでいる。
それはシンプルではありません。少ないだけです。
本当にシンプルな手法とは、チャートにローソク足しか表示されていない状態で完結するものです。
この記事では、私が実際に使っている「ローソク足だけで完結する日足の戦略」の考え方を書きます。
「シンプル手法」がシンプルではない理由
移動平均線2本を使う手法。確かにインジケーターは2つだけ。少ない。
でも実際にやってみると、判断すべきことは多い。
期間設定は何にするか。20と50か、10と20か。SMAかEMAか。ゴールデンクロスで入るのか、押し目で入るのか。クロスした後にどこまで待つか。
「少ない」と「シンプル」は違います。
インジケーターが1つでも、そのインジケーターの設定値や使い方に迷いが生まれるなら、それはシンプルではない。
シンプルとは、迷いが生まれない状態のことです。
チャートを開いた瞬間に「買い」か「売り」か「何もしない」が決まる。設定値も期間もパラメーターも存在しない。
その状態を作れるのは、ローソク足だけです。
ローソク足だけで何が見えるか
インジケーターなしのチャートを前にして、何を見ればいいのか。
見るのは3つだけです。
1つ目は、ローソク足の大きさ。
大きなローソク足は、相場に勢いがあることを意味します。小さなローソク足が続いているなら、相場は迷っている。この「勢い」と「迷い」を、ローソク足の実体の長さだけで判断できます。
2つ目は、ヒゲの長さ。
長い上ヒゲは、上に行こうとして押し戻されたことを意味します。長い下ヒゲは、下に行こうとして買い戻されたことを意味します。ヒゲには「拒否された方向」が記録されている。
3つ目は、ローソク足の並び方。
高値と安値が切り上がっていれば上昇トレンド。切り下がっていれば下降トレンド。これだけでトレンドの方向が判断できます。ダウ理論そのものです。
この3つだけで、エントリーの方向は決まります。
日足でやる理由
ローソク足だけで判断するなら、5分足でもできるのでは?
理論上はできます。でも実用上は厳しい。
5分足のローソク足は、数人の注文で形が変わります。大きなヒゲが出ても、たった1つの機関投資家の注文かもしれない。信頼性が低い。
日足は違います。
1本のローソク足に、24時間分の全世界のトレーダーの売買が凝縮されています。東京市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場。全部含まれている。
だから日足のローソク足は信頼できる。大きな陽線が出れば、それは世界中の買い圧力の結果。長い上ヒゲが出れば、それは世界規模の売り圧力の証拠。
ローソク足だけで判断するからこそ、そのローソク足の信頼性が高い時間足を使う必要がある。
それが日足です。
日足の始値と終値、どちらで入るか
日足をベースにしたトレードには、大きく2つのタイミングがあります。
1つは始値。日足が確定した直後、新しいローソク足が始まるタイミングでエントリーする方法です。朝の数分で判断が完結します。
もう1つは終値。日足の確定を待って、ローソク足が完成した形を見てからエントリーする方法です。確定足の形が明確になってから判断するため、ダマシが少ない。
→ FX日足の終値手法|確定足でエントリーして数日放置するだけ
どちらが優れているかは、相場の状況やその人の生活リズムによります。
ただ、共通しているのは「1日1回の判断で完結する」という点です。朝チェックして、条件が揃えば入る。揃わなければ何もしない。
これがローソク足だけで完結する戦略の基本形です。
エントリーしない日の方が多い
ローソク足だけでトレードすると、エントリーしない日の方が圧倒的に多くなります。
インジケーターを使っていた頃は、何かしらのサインが毎日出ていました。ゴールデンクロス、RSIの30割れ、ボリンジャーバンドの2σタッチ。どれかは必ず反応する。だから毎日トレードしたくなる。
ローソク足だけで見ると、明確なサインがない日は本当に何も見えません。
小さなローソク足が並んでいるだけ。方向感がない。ヒゲも短い。
こういう日は何もしない。
「何もしない」ができるようになることが、この手法の本質です。
エントリーしない日に価値がある。なぜなら、余計なトレードが消えるから。余計なトレードが消えた分だけ、余計な負けが消える。
決済もシンプルに
エントリーがシンプルなら、決済もシンプルであるべきです。
私の場合、エントリーしたら数日ホールドします。日中のチャートは見ません。翌朝、あるいは数日後の朝に日足を確認して、決済するかどうか判断します。
利確の基準も損切りの基準も、ローソク足の形で判断します。
エントリー方向と逆の強いローソク足が出たら決済。出なければホールド継続。
これだけです。pipsで固定された利確ラインも損切りラインもありません。相場がローソク足で語ってくれるのを待つだけ。
シンプルは退屈と表裏一体
最後に正直なことを書きます。
この手法は退屈です。
チャートを見る時間は朝の数分だけ。エントリーは週に1〜2回。ポジションを持っている間は何もしない。
画面に向かって「分析している感」がない。トレードしている実感も薄い。
でもそれでいい。
トレードの目的は「楽しむこと」ではなく「利益を残すこと」です。
楽しさを求めるなら短期足でスキャルピングをすればいい。刺激は山ほどある。ただし資金も山ほど減る。
退屈に耐えられる人だけが、日足のシンプル手法で利益を残せます。
私が使っている日足手法は、審査制で公開しています。 誰でも購入できるわけではありません。まずはメッセージをいただいた上で、判断させていただきます。



















